過度の繰上げ返済は、家計から余裕を奪う〜住宅取得に関するお話
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>2−3.過度の繰上げ返済は、家計から余裕を奪う
2−3.過度の繰上げ返済は、家計から余裕を奪う
現在、繰上げ返済は『非常に人気のある投資』のように持てはやされています。これは、将来支払うはずの利息を支払わずに済む為です。
では、『お得』ということだけで、ガンガン繰り上げ返済をして良いのでしょうか。
リスクは無いのでしょうか・・・。
実は、大きなリスクがあります。
『住宅ローン』は、『お金を期限付きで借りる権利』を契約しています。
そして、繰上げ返済は『期限付きで借りる権利を破棄している』ことになります。
お金を借りる権利と引き換えに『利息』を支払っていますので、この権利を破棄すると
『利息』を支払う必要がなくなるので、『得した』ことになるのです。
もちろん、資金計画を十分に考慮した繰上げ返済は、とても良いもので『お得』でしょう。
但し、無謀に繰り上げ返済をすると、家計破綻の危機が迫ってしまいます。
【家計破綻の危機の例:その@】
・月々10万円のローン、貯金300万円から200万円を繰り上げ返済。
・その後、不慮の事故で入院。半年間働くことが出来なかった。
⇒この家庭の場合、200万円の繰上げ返済をしたばかりに家計破綻の危機に陥ります。
将来の利息を(例えば100万円)減らすことも重要ですが、返済が滞るリスクも考慮する必要があります。
【家計破綻の危機の例:そのA】
・月々12万円のローン、貯金700万円から500万円を繰り上げ返済。
・その後、長男が私立理系の有名大学に合格。入学と同時に大学院も視野に入れるように言われた。
⇒この家庭の場合、700万円の資金があれば、当面は余裕を持った資金繰りになりますが、
繰り上げ返済をしたばかりに、数年後の資金繰りに不安が生じてしまいました。
もし、2人目が進学した場合には更に厳しい状況になってしまいます。
上記は極端な例になりますが、繰上げ返済は、将来の利息を軽減させる代わりに
現在から返済終了日までの間の資金繰りを悪化させてしまうリスクがあります。
返済終了日までに発生する必要資金(学費など)について、必ず考え、
契約した『お金を期限付きで返済する権利』を破棄するかどうか考える必要があります。
(お金を借りる上で、住宅ローンほど低金利のものはありません)
『資金繰りを考慮した繰上げ返済』と『お得だからと考えずにした繰り上げ返済』は、
結果(利息を払う額が減った)は同じでもリスクは異なります。
繰り上げ返済をする場合は、『資金繰りを考慮した、健全な繰上げ返済』をするようにしましょう。
もちろん、健全な繰上げ返済は、『非常に効率の良い投資』と考えることができます。
積極的に利用したいですね。
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